JICAシニア海外ボランティア イン シリア

2007年UNDOF日本隊記念日のゴラン高原ツアー (Golan Heights AOS Tour)

JICA事務所から次のような案内メールをいただいた。なんとなく面白そう、と言うことで我々全員参加申し込みしました。

 JICA事務所関係者のみなさま こんにちは。さて、この企画を待ちに待っている方が多いと思いますがUNDOF主催の「J-CON DAY」が2007年2月9日(金)に開催されます。 つきましては、下記のJ-CON内容、日程等を確認いただき参加ご希望の方は・氏名・旅券番号を記載の上返答願います。

−J-CON内容−
1.期 日:2月9日(金)
2.場 所:ゴラン高原、兵力分離地域(AOS: Area Of Separation)及び国連キャンプ・ファウアール(CF)
3.主 催:UNDOF第22次日本隊
4.支 援:日本大使館及び内閣府連絡調整員事務所
5.参加者:シリアに在住する在留邦人及びその家族

 参加申し込み者はシリア在住日本人の殆どと言っても良い約150名でした。以下にどんな催しだったのか報告します。 なお、現地で「ゴラン」と発音しては通じず、「ジュラーン」と発音します。アラビア語で「アルジュラーン」です。

クネイトラ県入り口

「クネイトラ県入り口」

2007年2月9日、UNDOF日本隊記念日(J-CON DAY)及びAOSツアーに参加しました。

ゴラン高原はシリアから見るとクネイトラ県にあります。ダマスカスからは南西に約67kmの位置、自動車で約1時間の距離です。5台のバスを連ねてのツアーになりました。


クネイトラ県入り口

「クネイトラ県入り口」

クネイトラ県の入り口に着きました。警戒地域なので勝手に入ることは出来ません。たて看板にアラビア語で「(アルクネイトラ)」、英語で「QUNAITRA」と書いてあります。

セルビス(乗合自動車)が黒煙を上げて県の内部に走っていくのが左に見えます。


クネイトラ県

「クネイトラ県」

許可を得て、クネイトラ県内部に入りました。バス内での案内「秘密警察のチェックが済んだので中に入ります。」 えっ?!それって秘密って言うの?

シリアの農村の風景です。特に何の変哲もありません。

 

クネイトラ市入り口

「クネイトラ市入り口」

しばらく行くと今度はクネイトラ市に入る厳重なゲートがあります。ここでまた「秘密」警察のチェックを受けます。

 

クネイトラ市

「クネイトラ市」

クネイトラ市に入りました。羊がいる。なんだ、のどかな田園じゃないの?

 

クネイトラ市

「クネイトラ市」

あっ、あそこにはヤギがいる。えーと、向こうの光景は?!

なんか瓦礫の山みたいに見える!

 

クネイトラ市の破壊跡

「クネイトラ市の破壊跡」

大きな建物が崩れ落ちてる。

左に見える立て看板には「LIBERATED QUNEITRA MUSEUM」と書いてある。

意味は?「解放クネイトラ市博物館」と言うこと?

 

クネイトラ市ゴラン病院

「クネイトラ市ゴラン病院」

クネイトラ市の中心街にあるこの病院跡がイスラエル軍による破壊行為の展示場になっているのです。

 

クネイトラ市ゴラン病院

「クネイトラ市ゴラン病院」
(ムスタシュファン アルジュラーン)

入り口の看板です。

GOLAN HOSPITAL
Destracted by Zionists and changed it to fireing target!

シオニストによって破壊され射撃ターゲットにされた!

と言った意味だね。

クネイトラ市ゴラン病院

「クネイトラ市ゴラン病院」
(ムスタシュファン アルジュラーン)

ゴラン病院ツアーに集まった我々です。なにせ大型バス5台、150人です。

 

クネイトラ市ゴラン病院

「クネイトラ市ゴラン病院」
(ムスタシュファン アルジュラーン)

病院の中に入るとこのとおり!

 

クネイトラ市ゴラン病院

「クネイトラ市ゴラン病院」
(ムスタシュファン アルジュラーン)

1960年代に建設されたエレベータもある近代的な病院だったそうです。

ここは両側が病棟だったのでしょう。

射撃訓練でことごとく破壊されています。

クネイトラ市ゴラン病院

「クネイトラ市ゴラン病院」
(ムスタシュファン アルジュラーン)

病院の屋上です。壁には無数の砲弾の後があります。

背景には北に位置する雪を頂いたヘルモン山が見えています。

 

クネイトラ市ゴラン病院

「クネイトラ市ゴラン病院」

屋上に上った一行です。ダマスカス大学の学生も多く参加しました。

 

 

 

クネイトラ市ゴラン病院

「クネイトラ市ゴラン病院」

破れた窓から外を見たところ。牛がのんびり草をブラウズしています。もともとゴラン高原は気候も温暖で雨も比較的多く豊かな田園なんですね。

 

 

クネイトラ市ゴラン病院

「クネイトラ市ゴラン病院」

屋上から階段を降りる途中です。破れた壁の向こうに小高い高地が見えます。そこはイスラエル軍の管轄地だそうです。

 

 

 

クネイトラ市ゴラン病院

「クネイトラ市ゴラン病院」
(ムスタシュファン アルジュラーン)

屋上から降りてきました。ここが病院の入り口なんですね。

 

 

 

クネイトラ市ゴラン病院

「クネイトラ市ゴラン病院」
(ムスタシュファン アルジュラーン)

入り口の上を見上げると砲弾の跡が痛々しいビルの最上階にシリアの国旗が寂しげにはためいていました。

 

 

クネイトラ市国境

「クネイトラ市国境」

バスに戻った。座席から外を見ると高地が見える。イスラエルの高度な軍事通信基地で、日本隊員は「スパイヒル」と呼んでいるそうです。

まともに写真撮影などするとお返しがあるとか!

イスラエルとの国境ゲート近くまで行ったのですが、カメラ持参禁止でした。残念!

クネイトラ市地雷原

「クネイトラ市地雷原」

ゴラン病院を後にしました。道路に鉄条網、ここから外はなお地雷原と言うことです。

 

クネイトラ市破壊跡

「クネイトラ市破壊跡」

またつぶれた住居跡。この辺いったいの建物は全てこのように破壊されている!

 

クネイトラ市破壊跡

「クネイトラ市破壊跡」

どれも同じように屋根がそのまま落ちたようにつぶれている。これはイスラエル軍が国連決議で撤退するとき、後に軍事利用されないよう、重機や火薬を使って柱の部分をみんな破壊したためだそうです。

さすが破壊のプロ、整然と市の全住居を破壊し尽くしている!

クネイトラ市破壊跡

「クネイトラ市破壊跡」

左に破壊住居、中の道路には国連4輪駆動車に先導されたバスツアー一行、そして背景には北方にあるヘルモン山がちょうど見えています。

ラストシーンにふさわしい光景だ!

 

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